そろそろ中堅エンジニアのIT雑記

プログラミングを仕事にして若干、まだまだ新米エンジニアの雑記です。

自作赤道儀開発【要件定義】

天体撮影を行うための機材、赤道儀を自作することにしましたので、その記録です。

背景

1年ほど前から写真撮影が趣味になりました。
撮影対象としては航空機と星景写真。
※星景写真:星空と風景の同時撮影

天の川 (FUJIFILM X-A5, 18mm/f2.8, ISO3200, 阿智村)

そこそこの機材で綺麗に撮れていたので満足していましたが、星景写真撮影は更なる欲が出てきました。
星景写真は広角レンズで空をできるだけ広範囲に短いシャッター速度(長くても20sec)で撮っていました。
この条件では、日本一暗いと言われている天体観測の聖地阿智村で、上記の天の川がなんとか撮れました。
これより上のレベルの撮影となると、具体的な天体、銀河や星雲の撮影になります。
天体からの光量を稼ぐためにシャッター速度をより遅くしたいのですが、遅くすると地球の日周運動による影響で、撮影対象の天体が移動し、線のように映ってしまいます。
これを補うための機材が赤道儀です。
天体の動きに合わせて、カメラの方向を徐々に動かしてくれます。
原理は非常に単純で、24時間で360度カメラを動かします。
赤道儀は各メーカーから発売されておりますが、持ち運びに便利なポータブルタイプから、天体望遠鏡とセットになっていて、天体への導入機能になっているものまで、ピンキリです。値段は数万円〜です。
これであれば自分のスキルでもできそうと思い、開発を始めました。

また、ここ数年、本格的なシステム開発プロジェクトに従事しており、一通りの開発フェーズを体験したので、復習のために、要件定義〜設計〜開発〜試験を確認する目的もあります。
実際は、新しく習得する知識技術が多々あるので、設計〜試作〜試験を繰り返す開発を想定しています。

要件定義

まずはどのような赤道儀を作るか、要件定義です。

天体の日周運動を追随する

赤道儀としての最低限の機能です。Arduinoとステッピングモータで実現します。
本要件の開発が主になります。

極軸投入を行う

赤道儀の回転運動は極軸(天球の回転軸)を北極星に向ける必要があります。
これを極軸合わせと呼びますが、極軸合わせの精度が、日周運動追随の精度に大きく影響します。
極軸合わせを補佐する機構が必要になります。

カメラのシャッターを制御する

大体のカメラは30sec以上のシャッター速度で撮影する場合(BULK撮影)、レリーズというカメラに接続するボタンを利用します。
レリーズは分解したところ三軸イヤフォンジャックのショートで制御しているようだったので、シャッターの制御もできそうと思い、要件に追加しました。

また、以下は上記が完成した後の改良要件ですが、できそうな気がするので挙げておきます。

極軸の自動投入を行う

極軸の方位角、仰角を取得し、赤道儀を載せた雲台を動かすことで実現可能と判断しました。

任意の天体の自動投入を行う

極軸の自動投入ができるのであれば、任意の天体への自動投入も可能と判断しました。
また、事前調査で、天体の諸データはインターネットで取得できそうでした。

GPSによる位置補正

自動投入には自位置の座標データが必要ですが、GPSによる位置データ取得を試みます。

終わりに

今回はひとまず要件定義を思いつくままに挙げました。
実際はもう少し開発が進んでおり、ある程度の進捗があるので、随時投稿していきたいと思います。