そろそろ中堅エンジニアのIT雑記

プログラミングを仕事にして若干、まだまだ新米エンジニアの雑記です。

自作赤道儀開発【検証・極軸投入機能 1/】

極軸投入機能の技術検証です。
極軸(北極星)の方角を取得する方法を検討しました。

極軸投入機能調査

市販赤道儀の極軸取得方法を調査したところ、以下の流れのようでした。

  1. 極軸望遠鏡で北極星方面の星景を取得
  2. 緯度・経度・日時から代表的な天体*の星図を取得
  3. 星景と星図の移動角度を算出

* 北極星カシオペア座、北斗七星など

調査結果を受けて、極軸方向の画像を取得した後、画像解析すれば、極軸合わせの移動角度を取得できそうです。

極軸方向画像取得

次の案を思いつきました。検証していきます。

ラズパイカメラモジュールで極軸望遠鏡を制作

ラズパイカメラモジュールで、極軸方向を撮影。
撮影した画像と星図を照合し、移動角度を算出するという流れを考えました。
まずはラズパイカメラモジュールがどのような撮影をできるか、検証しました。
ラズパイカメラモジュールはサードパーティ製の安価なものが、Amazonにたくさんあります。以下を試しました。
https://amzn.asia/d/85pvWsu
筆者のRaspberryPi 3Bでは、以下の手順で撮影することができました。
1. カメラモジュール接続後、以下のコマンドを実行し、legacy cameraをONに設定する。

sudo raspi-config

2. 以下のコマンドで、カメラモジュールが正常に認識されているか確認する。
supported = 1, detected = 1が正常認識。

vcgencmd get_camera

認識しない場合、/boot/config.txtのcamera_auto_detect=1をコメントアウトし、再起動。

3. 以下のコマンドで撮影。

sudo raspistill -o xxx.jpg


撮影できた画像が以下になります。

ラズパイカメラモジュール撮影画像

私室で適当に撮ったものなので、撮影対象が悪いですが、思っていたよりも綺麗に撮れます。未調整で、フラットな部分の色味はおかしいですが。
シャッタースピードは上記コマンドの引数で渡せますので、ある程度は使えそうです。

スマートフォンGPS電子コンパスを利用

スマートフォンにはGPS電子コンパスが搭載されています。
さらにAndroidアプリのSkyマップはスマートフォンを向けた方向の星図を画面に表示できます。
play.google.com
これをうまく利用できれば、ハード面でかなり楽ができます。
天体座標をアプリから取得することはできませんが、Android端末なので、ターミナル環境のあるPCからUSB接続したAndroidスマホに対して、adbコマンドを利用することが可能です。
以下のコマンドで、RaspberryPiからAndroidスマホに表示中の画面スクリーショットを取得することができました。

adb shell screencap -p /sdcard/xxx.png
adb pull /sdcard/xxx.png

移動角度計算

両案で実物の極軸方面画像が取得できますので、画像上から北極星の座標ピクセルを取得できれば、画像中心との距離が極軸合わせの移動距離になります。画像から北極星を見つける方法を検討する必要があります。